2010年 7月号
 前回のありがとう通信に続いて、世界で初めての無農薬無肥料という奇跡のリンゴ栽培(本当に甘くて2年間くさらないというりんご)に成功した木村秋則さんのお話です。
 チャレンジを始めて6年間、何をどう頑張っても全くリンゴはできない、とうとう800本のリンゴの木が枯れ始めた時、彼は異常な行動を始めます。それは一本一本のリンゴの木に一生懸命、話かけたのです。「こんなにしてしまってごめんなさい。花を咲かせなくていい、実をつけなくていいからどうか枯れないでおくれ」と木に優しく触れて労わるように、ぬくもりが伝わるようにしながら毎日毎日語りかけたのです。挫折感でとうとう自殺を試みる直前の頃のことです。その結果、なんと木がどんどん元気をとりもどしていったといいます。ところが、82本の木だけは枯れてしまった、それらの木には声をかけなかった、なぜかというと、それでなくても、リンゴの無農薬無肥料栽培などという信じられない事をやり続ける彼に対して、村中の人々からの非難中傷の中で、木に話しかけているところを聞かれたら、また「気が狂った」といわれる、それがつらくて道沿いの木や隣の農園との境の木、82本には声をかけなかったのです。

 「言葉は誰にでも、たとえ相手が動物や植物でも伝わる、絶対にそういいきれます」
 「隠れている真実を追求するものだけが、ものごとをなしとげられるのです。その過程で味わう、けた外れの失敗、かみしめた挫折の量が成功の元です。見ることのできない地下部(根っこ)との格闘でかいた汗は、裏切ることなく地上部(幹や枝、葉や花や実)に現れてきます」・・・・・・・・・ 木村秋則

 私たちの人生でいうと「見ることのできない根っこ」とは運気のことですね。人生に無駄なものは一つもない、どんな苦労も非情だと感じる運命も「根っこが枯れているよ」というサインであり、根っこを伸ばすために必要なことに気づくキッカケ、または運気を上げる為、必要な成長のための大切なトレーニングなのです。 陽転思考のための呪文「これでよかった!ここから気づく、ここから良くなる。ありがとうございます」の中に、その意味が込められています。 
木村さんも、大きな苦労のさ中でも、伸ばした根っこの結果としての幸運を味わっていらっしゃいます。銀行での200万円の借金が返せません。親戚や友人からかき集めたお金を持って返済に出かけると、銀行の支店長が「そのお金は借りた人に返してきなさい。返済はリンゴがなってからでいい」というのです。銀行でそんなことはあり得ないことです。あとでわかったのですが、借金は支店長が自分の給料で返済し、定年の時に退職金で残りを返して辞めたのです。実は支店長自身が学生の頃、「リンゴはなぜ無農薬でできないのか」という疑問にぶつかりそのことを追求した時期があったのです。支店長にとって無農薬リンゴを作ることは夢の実現だったです。本当に神業ともいえる幸運です。
根っこを伸ばすと、どんなことをしても幸せにするために天地宇宙は味方になり働いてくれるのです。プラスの言葉とありがとう、そして笑顔で根っこをのばしましょう。
ありがとうございます。


             
のさかれいこ